親友シンユウへの手紙テガミ
中山ナカヤマ  有美子ユミコ

詩シ野ノ...
私ワタシとあなたは もう どれくらいの年月ネンゲツと時トキを過スごしてきたのかしら..
あなたと歩アユんできたすべては 私ワタシの心ココロの宝石ホウセキ・宝物タカラモノです。
そして私ワタシ達タチは、どんな時トキでもいつも「未来ミライ」を信シンじてきたよね。

詩シ野ノ...
今日キョウまでどんなに辛ツラくても私ワタシが笑顔エガオでいられたのは天使テンシのような詩シ野ノの微笑ホホエみで、いつの時トキもそこにあなたがいてくれたから。私ワタシはあなたが大好ダイスき。

詩シ野ノ..
あなたが、大切タイセツな唄ウタを、心ココロ込コめて優ヤサしく唄ウタっている時トキあなた自身ジシンの全スベてであり 一番イチバン好スきなあなたでいいるのを私ワタシは知シっているから...
10月ツキ25日ニチのグレープフルーツでのあの晩バンステージには「木下キノシタ詩シ野ノ」という輝カガヤき放ハナった歌姫ウタヒメが舞マい降オりあなたの震フルえた指先ユビサキから、優ヤサしい唄ウタ声コエから..伝ツタわってきたあなたの想オモいが魂タマシイが 私ワタシの全スベてを包ツツみ込コんでくれた。また..あなたは私ワタシの心ココロを癒イヤし。勇気ユウキつけてくれたの。
私ワタシの魂タマシイが喜ヨロコびと感動カンドウで思オモわず涙ナミダがこぼれた...

詩シ野ノ..
あの晩バンの涙ナミダを真珠シンジュにかえて輝カガヤきにかえるわ
その輝カガヤきが 私ワタシのに幸シアワせへ道標ミチシルベを照テらしてくれる
あなたからの贈オクり物モノ たくさんの真珠シンジュは 詩シ野ノのメロディーと共トモに弾ハジけてたくさんの愛アイと幸シアワせを つかむから。

詩シ野ノ..
私ワタシも 唄ウタっている時トキのあなたが一番イチバン好ヨシミきよ。
そして あなたが好スきな 自分ジブンも 一番イチバン好スき。
永遠エイエンに唄ウタい続ツヅけてね。

詩シ野ノ..
秋アキの終オわり告ツげる 月ツキの輝カガヤく空ソラの下シタあなたの愛アイを感動カンドウを最高サイコウのプレゼントを 本当ホントウにありがとう
そして..すみえお姉アネさんに逢アわせてくれて ありがとう

詩シ野ノ..
あなたと 出逢デアえた事コト 誇ホコりに思オモう
本当ホントウに 本当ホントウに 心ココロから感謝カンシャしています。
「私ワタシの大好ダイスきな大切タイセツな親友シンユウの詩シ野ノ いつも ありがとう」

永遠エイエンの詩シ野ノの幸シアワせを祈イノって...

 
 
 
限りなく透明な歌声に祝福される夜。
作家・コピーライター 松沢直樹

2002年10月25日。
この日はきっと、木下詩野、そして彼女の歌の世界に魅了された人達にとって、特別な日となるに違いない。
彼女の単独ライブが決定したということをHPで知った瞬間、私はそう直感した。
いささか大袈裟な表現だが、そう感じたのは事実だ。事実、ライブの告知の情報をHPで知った後、某紙の原稿の締め切りが数時間後に迫った深夜の作業中にもかかわらず、私はウオッカの小瓶を空け、一人で祝杯をあげた。

ふだん私は文章をつむぐ時、それが小説であれ、某かの商品のキャッチコピーであれ、アルコールはもちろん、時には飲食を断って、自らの感性をぎりぎりまで研ぎ澄ましてから作業に向かう。
それは、自分の作品に触れて下さる方への誠であり、また下手をすれば怠惰に堕してしまう「表現」という、完成が無い作業への戒めでもある。それにもかかわらず、私にとって、絶対とも言えるタブーを犯して、強い酒の杯を仰いだのはなぜか?
それは、彼女の放つ歌の「素」の世界に触れることができると考えたからである。

以前のライブレポートを読んでいただいた方はご存知だと思うが、私は過去に彼女のライブに二回参加し、レポートを書いている。
その濃密な時間の中で強く感じたのは、彼女が一瞬一瞬に自分の世界を封じこめ、歌声を放つことのできる、シンガーであるということだった。
言うまでもなく、音楽は時間の経過の中だけに存在する芸術である。
一瞬一瞬に自分の世界を封じこめ、歌声を放つことができるということは、シンガーとして誠実であると同時に、オーディエンスに伝える彼女だけの「個」の世界を持っているということである。事実、彼女の歌声を通して伝えられた世界は、オーディエンスに至福の瞬間を与えてなお、余りあるものだった。
いずれも素晴らしいライブだったが、残念だったのは、過去に参加したライブ全てが他のアーティストのオムニバス形式のライブであり、彼女の歌の世界全てをうかがいしれたとは言い難いことである。
彼女の歌の世界に薄いフィルターをかけてしまったのは、一体なんだったのか未だに分からない。それは、ひょっとすると、出演するアーティスト毎に変わるライブ会場の空気であったり、また、個を主張することよりも、オーディエンスを楽しませようとするプロのシンガーとしての彼女の無意識であったかもしれない。
だが、今回はそんな障壁は一切無い。彼女の放つ歌の世界そのままに触れることができるのだ。そのことに私は狂喜し、仕事中にもかかわらず、タブーを破って強い酒の杯を仰いだのだった。

ライブ当日、私は友人達数人と渋谷で待ち合わせ、会場の三軒茶屋へ向かった。
三軒茶屋駅から、人々の生活の息遣いを感じることのできる商店街を抜け、談笑しながら歩を進めると、今回のライブ会場である「グレープフルーツムーン」はあった。
地下の会場なので、外からは中の様子を伺い知ることはできないが、瀟洒な作りであるようだ。
予定より三十分ほど開場が遅れたが、友人たちとの談笑にはちょうど良い時間である。
私は、ほぼ最後尾に入場したが、会場は既に満席であり、立ち見の人であふれかえっていた。決してゆったりとした状態ではないが、皆、和気あいあいとドリンクを手にしたり、談笑しながら開演を待つ様子は、非常に心地よいものだった。
どれくらい友人達と談笑を楽しんだだろうか? オーダーしたジンライムが体を暖め始めたころ、不意に彼女はステージに現れた。

オープニングは「美しい夜だから」
スローな優しい曲である。最初の第一声で、彼女の放つ歌の世界に包まれたオーディエンスは、誰一人として身動き一つしようとしない。彼女の放つ世界にオーディエンスの一人一人が共振しているのだ。
その様は、「聞きほれる」というよりも、彼女の歌を通して伝わってくる高次からの祝福を受ける喜びに、身を任せているように見えた。
緩やかに滑り出した後は、彼女はオーディエンスを楽しませることも忘れていなかった。
続いて飛び出したのはオープニングのイメージを覆すアップテンポな「PaPaDo 」そして「ラストドライブ」
ギターの荒井豊氏、サックスのファイアー渡辺氏、ピアノ&フルートの上野氏、そしてパーカッションの中里氏という 凄腕ミュージシャン達の音が冴え渡る中で、会場は彼女の歌声とともに、新たなグルーブに巻き込まれていった。
ヒートアップした会場が彼女のMCで落ち着きを取り戻した後は、再び 緩やかな時間が流れていく。「この愛にほほえんで」「月下美人」「海に抱かれたい」そしてキリンジのカバー曲「エイリアン」を最後に、一旦、ステージは幕を閉じた。

わずかな時間の後、ステージは再開。第二部の始まりである。白いドレスに身をまとった彼女がステージに現れると、オーディエンスの中から、ため息に似た歓声が漏れる。
第二ステージの始まりは、彼女のオリジナル曲「あなたと生きて行こう」そして「ヒーリングガーデン」
このころには、皆、彼女の放つ世界にすっかり身を委ね、心地よい時間の流れに身を任せていた。そんな心地よい時間に細い楔(くさび)を打ちこむように、彼女のMCが入る。

MCに先だって、いささか緊張し沈鬱な顔を見せた彼女は、わずかにうなずき、今は亡き彼女の姉「きのしたすみえ」さんの作った歌を歌う旨をオーディエンスに告げた。 
大好きだった姉が亡くなってしまったこと、そしてその事実と向かい合おうと模索してきたこと。説明の言葉は少なかったのに、その後に続いた彼女の歌は決して彼女の辛い心情を吐露したものではなかった。
「すてきな夢を」「この世界に」「朝日の中でほほえんで」「悲しみは歌わない」

いずれも優しく、オーディエンスの一人一人を包み込むような声。気がつくと、頬に一筋の雫があった。私だけではない、周囲の人全てがそうだった。
オーディエンスが感極まる中、ステージを後にした彼女にアンコールの拍手が起こるのは当然のことだった。
完全にステージとオーディエンスが一体になったまま、彼女のオリジナルソング「HIMAWARI」が響く中、皆はそれぞれ、今夜、彼女がくれた祝福をかみしめていた。

「Song For You」
ラストの歌詞に乗って放たれた言葉は、彼女がオーディエンス一人一人を祝福する気持ちに違いない。
彼女が透明な歌声に乗せて届けてくれた祝福に言葉で礼を述べるとしたら、きっとどんな言葉を並べても足らないだろう。それでも私は言葉にしたい。

「素敵な歌をありがとう。そして出会ってくれてありがとう…」と

 
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白い妖精の物語。
松藤さとみ(すずめ)

ある夜、私の心の扉を叩く音がした。その扉に静かに耳を当てると、美しい声が聞こえた。「白い花、白い花、あの人に胸に、咲いて揺れるだろう、お月さんのように・・・・」 私はピアノの音色に誘われるまま、その扉をそっと開けた。そこには、長い黒髪の白い妖精が立っていた。まばゆいばかりの光の中に浮かぶその白い影は美しい愛のメロディーを奏でていた。彼女の体内からあふれでる限りない愛の歌が私の耳に響き、瞬く夜空の満天の星の下で彼女は静かに歌っていた・・・
そばには、もう一人黒い影・・・
「美しい夜だから、ずっとあなたと歩いていたい・・」
二人の影がくっついては離れ、離れてはくっつき、ほのかな明かりを求めて切なく愛を伝えようとしていた。二人の愛の絆を探るかのように、月の明かりはいつまでも二人を照らし続けていた。「こんなにも愛しているわ」。 ぽつりと白い妖精がつぶやいた。
「生まれ変わって、もう一度めぐり合えたら、もう一度抱きしめてね」 
白い妖精のメロディーは、愛を奏でつづけた。愛は永遠。だからさよならは言わない、と。
 
男から離れた妖精はちょっと背伸びして、SEXYなサックスに身を包み、深い森の中から飛び出して都会のネオンの下で踊ってみた。妖精はそのまとわりつくサックスの隙間をぬぐうように美しく白い腕を伸ばし、細長いタバコに火をつけた。大人びた時間をもてあそぶように、彼女は懸命にステップを踏んだ。
「PA・PA・DO」
妖精はその静かな微笑の影に、女の心の悲しみを垣間見せた。タバコを吸い終わって、彼女は大きくため息をつくと長い髪をかきあげた。誘われるままに男の助手席に乗った彼女は、後ろに流れる髪を押さえながら、ある予感を感じていた。二人で向かうこの海の思い出は今日で終わるだろう。決して彼女は後ろを振り返らなかった。二人だけの終わりのLOVEソングを口ずさむ。
「あなたとの海にさよなら・・・・・」
最後のドライブは、悲しい思い出への決別と新しい世界へのドライブであった。月夜の明かりが暗さを増す中、白い妖精は切ない恋の思い出をかみ締めた。微笑んで生きていくと、決めたから・・・決してかなわぬ愛に、愛してはいけない愛に・・・彼女はちょっとだけおぼれてしまった。
「それでも大切な人だから、遠くから見つめているわ・・・・壊さない・・・守るために・・・」
私は、そんな彼女の姿を見ながら、そっと涙した。「それでもあなたを愛してるの」車から降りた白い妖精はそっとつぶやいた。柔らかなフルートが白い妖精の胸の奥からふんわりと広がり、真実の愛、大切な愛をこの小さな胸に秘めていくことを誓った。男の乗った車は静かに暗闇の中に消えていった。私は震える小さな彼女の肩を遠くで見ながら、愛の深さに、そしてその強さに心を奪われた。私は彼女のそばにそっと駆け寄って行きたかった。しかし、白い妖精のこぼれる美しい涙に、私は動くことができなかった。白い妖精は、ふっと月を仰ぎ、その白い腕を大きく広げた。月の明かりが、彼女の白く細い指を零れ落ち、波をきらきらと照らし続けた。静かなパーカッションのリズムの下で、まるで妖精は一夜限りの月下美人のようにたたずんでいた。恋するために咲いた花、時を行けない美しく白い花。つみとられていくそのはかない命に、あなただけにために、そっと紅を引いた。涙をひとつこぼしながら、白い妖精はそのまま眠ってしまった。

夜が明けて広い海原を太陽が照らした。夕べの妖精のはかなく切ない姿を思い浮かべながら私は遠くで聞こえるボサノバのリズムに酔いしれた。時がたつのも忘れ、波の寄せる音や、貝殻たちの声を聞きながら、ずっと海を見つめていた。そう、海は知っていた。全てを受け止め、時を刻むことの美しさを。この広い海に抱かれたい。悲しみも、苦しみもみんな飲み込んで。ただ流れるままに、愛を悔やまないで生きていくために・・・海は私を母のような大きな愛で、私を包んでくれる気がした 気がつくといつしかあの妖精が、海に向かって黒い髪をたなびかせながら歩いていた。白い妖精は、海に抱かれたまま、その静かな波に身をまかせた。その顔には穏やかな笑顔がこぼれた。幸せってこういうことなんだ。ゆらゆらと彼女は波間に揺れていた。
いつまでも・・・ 何時間たっただろう・・
あの妖精が、シンプルな白いドレスを身に纏い私の目の前に現れた。何かをふっきたのだろうか。さわやかなその笑顔で愛する人へ、彼女はやさしくメッセージを送った。
「あなたと生きていたい、この世界がある限り、この青い空が続く限り、あなたとの愛はずっと続くと信じたい。二人で生きていこう、いつまでもどこまでもこの愛があるがある限り、ふたりならば生きていける。」と。
この歌は、わたしに勇気を与えてくれた。

彼女の歌が終わると突然、青空の下に、広いお花畑が広がった。鳥がさえずり、平和と愛で満ち満ちていた。この広い世界でなんて人間はちっぽけなんだろう。
みんな、愛を求めている。誰かを求めている。
「ヒーリングガーデン」
大きな愛が私たちを包んでいく。痛みも、涙も美しい愛になるよ。素敵な言葉に私の心は躍った。 白い妖精はつぶやいた。大好きなあの人を愛したあの頃の愛の深さに、あの頃の愛の熱さに、あの頃の愛の強さに、どんなに月日がたっても、どんなに時代が進んでいっても。色あせることのないあの日の思い出や。時間とともによみがえるあの美しい日々。あの、若きバレンタインの日のように、いつまでもあの人のことを思い続けているの。いつかあなたにきっと会えると・・・・
そう強く信じている、その心の美しさと強さに私は胸を打たれた。 そのうち白い妖精が、ふと立ち止まってまた天を仰いだ。メリーゴランドの回るおとぎの国が現れて、そこで白い妖精はおどけてみせた。
「さあ、素敵な恋を思い描きましょ」
ららららんらん・・・くるくると踊る妖精に、天使たちの愛が降り注ぐ。青い空を見上げて、素敵な夢をみましょう・・・ 白い妖精の叫び声に、天から一人の美しい天使が降りてきた。この広い地球のどこかにあふれている愛を求めてその天使は降りてきた。白い妖精は天使の姿を見て息を飲み、急に泣き出した、その天使は、白い妖精にそっと寄り添いながら彼女の涙をそっとぬぐった。その天使は妖精の姉であった。 あふれる涙で私は二人の姿を見続けることはできなかった。
「果てしない愛に包まれ、全てを生きているのよ、ここに今、ほらね」 「あなたをいつまでもいつまでも、見守っているからね」
そっと天使は、妖精の手を握った。「さあ、愛を信じて歩いていきましょう」 朝日が海辺に差し始めた頃、天使の姉は歌い続ける妖精の声を聞きながら、朝日の中で微笑み、そっと妖精を抱きしめ、そしてその手をそっと離して天へ戻って行った。妖精はあふれる涙を押さえながら、天へ戻っていく天使をいつまでもいつまでも見つめ続けた・・ 「誰も闇はこない。明かりを消して眠れない だから、悲しみはもう歌わない。」
るるるらら・・・・・また妖精の心の歌声が聞こえてきた。やさしいギターの音色が妖精をそっと包み、白い妖精は小さくリズムをとりながら、私に気づいた妖精はそっと私に近づいて手を握った。 「おやすみなさい、いつかまた、会えるまで、悲しみは、もう二度と歌わないよ」妖精はぎゅっと私の手を握ると、すっ〜と消えていった。私は白い妖精のいた場所にたたずみその姿を思い描いていた。
 
一瞬暗闇になったかと思うとやにわに雲の切れ目から太陽の光が差し込み、一面にひまわり畑が現れた。それは、夢の世界から目覚めさせるような鮮やかな黄色いひまわり畑だった。ひまわりの咲くあの丘をみながら私は思った。「愛する人のためにがんばって生きていこう。ともに歩んでいこう。つらいことや、悲しいことがたくさんある世の中だけど、ここには、こんなに暖かで優しい風が吹いている。愛する人さえいれば、何もいらない。いつも太陽は昇っていくんだ。このひまわりの世界の上にね。太陽はいつも見つめているよ。私たちをずっとね。」 ひまわりに埋もれた軽やかな妖精の歌がなり終わる頃、私は扉に向かって歩いていた。もう、悲しみなんか怖くない。もう、決して一人なんかじゃないんだ。あふれ出る涙をぐっとこらえてわたしは、まっすぐにあの扉へ向かった。

白い門をくぐったとたん、ばたんと扉は閉まった。振り返るとその扉にはこう書いてあった。
「SONG FOR YOU」

 
松藤さとみ(すずめ)のホームページ
 
透き通るように優しく、天使が舞い降りた夜。
nikky
10月25日(金)に行われた「木下詞野 ワンマンライブライブ2002」をレポートさせていただきます。
今回は三軒茶屋にある「グレープフルーツムーン」にて行われた。駅から少し歩き、斜め前に銭湯がある懐かしさ漂う場所に会場はあった。会場前ではライブ見に来た人が集り始める。みんな彼女を待つ時間の一秒一秒が興奮に変わっていく。これがライブの醍醐味なのだ、高鳴る鼓動を誰も抑えることはできない。入場時間PM7:00になったが入場が少し遅れていた、ピリピリした状態でリハが行われたのだろう、お客さんに良いライブを見せる為に彼女は最善の努力をしていたに違いない。入場が始まり階段を下り会場に入ってみると50人位収容できそうな空間に洒落たカウンターバーやステージ、雰囲気は抜群だ。まもなく席は埋まり立ち見が出てるという光景には彼女のライブが見たいという人々の情熱を感じた。

そして開演の時。大きな手拍子に迎えられストレートのロングヘアー、モノトーンをイメージした少しラフな服装で彼女は登場した。ステージに立てる嬉しさと最後まで良いライブにする不安が交錯してるような表情だった。1曲目「美しい夜だから」歌い始める彼女はまだ緊張がほぐれていない様子だったが彼女を見つめ歌声に身を任せる観客。そして歌い終わりの時、観客からスタンディングオベーションのような温かい拍手がエールとなって彼女を包み込んだ。答えるように2曲目「Pa Pa Do」以降、彼女の歌声に変化が表れた。自信に満ちた、彼女らしさがでてきたのだ。

彼女のあのスレンダーな体からこんなに強く優しい歌声が出るとは思わなかった。自然とライブハウス内が一体化してくる、やはりステージ上の彼女は間違いなく輝いている!

演奏されていた、
フルート&ピアノ上野義巳。表現力の豊かさと鏡越しにメンバーを気遣う優しい視線。
ギター荒井由考。腕前は一級品、小さな鉄琴を弾いた時のテレ笑いは印象的。
サックス渡辺ファイアー。名前のごとく熱くパワフルで洗練されたサックスには感動。
パーカッション中里たかし。急遽参加のようだが彼女の曲の世界は確実に広がりを見せた。
の方々もとても素晴らしく、洗練された演奏を披露。

彼女は狭いステージの上で演奏している仲間にアイコンタクトしながら息を合わせていた。作り出される演奏に彼女からの仲間に対する信頼というものを感じ、聞き手の私たち伝わってくる。

☆木下詞野 秋のアコースティックライブ2002全15曲リスト☆
第1ステージ
1 美しい夜だから
2 Pa Pa Do
3 ラストドライヴ
4 この愛に微笑んで
5 月下美人
6 海に抱かれたい(ボサノバ)
7 エイリアンズ(キリンジのカバー曲)
第2ステージ
1 あなたと・・・
2 ヒーリングガーデン
3 若い日のバレンタイン
4 素敵な夢を
5 この世界に
6 朝陽の中で微笑んで(ユーミンのカバー)
7 悲しみは唄わない
アンコール
8 向日葵

第2部のステージ、髪をアップにし全身白を基調にした服装に薄地のストールで身をまとい大人のイメージで登場した。第1部と変わらず一言一言大事に歌っていく。

そして彼女の今は亡きお姉様の歌「素敵な夢を」「この世界に」を透き通るように優しく奏でた。気持ちを知っている観客が多いのか会場内には目頭が熱くなり涙を流す人も見られた。彼女はお姉様の残してくれたメロディーを心を込めて歌いながら天を見上げた時、彼女を守る天使が舞い降りてくる姿が見えたような気がした。錯覚とはいえこれこそが彼女の魅力なのだ。

そしてラスト、出来上がったばかりの新曲「悲しみは唄わない」を歌う彼女、当然初めて聞く曲だが引きつける力のある詞だった。シンガーソングライター&作詞家の木下詞野の作品はすべて詞の素晴らしさによって広がりをみせているのだ。今回の「悲しみは唄わない」もいい作品に仕上がっていると思う。

アンコールには「向日葵」、彼女の代表作といえばこの曲だ。「向日葵が咲くあの丘へ・・・・」のフレーズは一度聞けば頭から離れないほど完成度は高い名曲だ。この「向日葵」でライブは終演、観客のすべてが余韻に浸っていてとても感動的なライブだった。

私はこの「木下詞野ライブ」を実際に体験できたことを嬉しく思います。今後の「木下詞野」音楽活動を心から応援し、飛躍を期待している。

最後に『しのさんありがとう・・・・そしてこれからも頑張ってください!』

 
nikkyのホームページ
 
瞳の中に舞い降りた天使。
安西千穂

10月25日(Fri)
三軒茶屋 クレープフルーツムーン にて 「木下詩野」アコーステックライブが 行われた。

私と 木下詩野さんとの出会いから 2ヶ月。彼女と知り合って 他のアーティストのライブを一緒に見にいく機会は多くなったけれど 実際 木下詩野さんのライブを 見るのは 初めてで ライブが決まった1ヶ月前から 私は 心を 躍らせていた。

ライブは 70人くらい 入れる おしゃれなライブハウスで アンティックな白いすけたブラウスに パンツ姿で 現れた アカペラで 始まった 彼女の唄声に 会場も とたんに 静かになり 彼女を 見つめ始めた。
1stステージでの曲は 彼女の曲の中でも 「ラスト ドライブ」「海に抱かれたい」は アップテンポ調のリズム で 私の大好きな 曲だ。2ndステージは 白いストレートロングドレスに髪をアップして 淡く透けたストールを 身にまとい 大人の女性を 醸し出していた。
「あなたと・・・」を 唄い始め 「若い日のバレンタイン」を 唄われたときは 私は 瞬きも できない 状態だった。 アンコールで 唄った 「ひまわり」はいつものバラード調でなく パーカッションの 効いたリズムカル調に 全身全霊で 唄ってくれた。
ひまわりの 咲く あの 丘で 「みんなと夢を かなえたい」 太陽が上っていく  「みんなのために」 愛してると言う為に   「私は うまれてきたの」
そう 唄い上げた後 「みんなの 幸せを 祈ってます!」 彼女は ステージを あとにした。

大人の「メロウ」と言葉で 表現するのは 優しいが 彼女が 唄い続ける「恋」は 10代 20代を はじめ 身体ごと燃え尽きた 激しい恋 男と女も 色気にかかってくる唄を 驚くほど繊細な ニュアンスの 唄いまわしを 小細工することなく しっとりと唄ってみせる
ボリュームある声の中に うっとりするような優しい そして 色気がある メロディアス 深みのある 詩的世界 歌詞をもつ バラードは 聴けば 聴くほど 味わいが 増していく 聞き手の期待を 裏切らない。

そして 強力なリズム・セクションとして 見逃せないのが ギターであり そこにリズムカルな パーカッションにピアノとフルートをからませ サックスで 彼女の唄を 引き立たせていた。

「恋」の中に 木下詩野の唄の世界は 愛の喜びも悲しみも ひとつひとつが大切な 「詩」 

「素敵な言葉・癒さされる時間・素直な愛」

心が 1ミリも 動かない 私の瞳の中に 舞い降りた 天使

きっと 永遠に 唄い続けてくれるだろう・・・・。

私だけでなく ここの ライブへ来た 多くのリスナーが そう 感じてくれたに 違いない。

 
安西千穂のホームページ
 
少なくともその一瞬、人は彼女に恋をする。
TAZ
2002年10月25日。連日に渡り多くのメディアで北朝鮮拉致事件のニュースが流れる日々。世の中は不況の波から未だ脱せず、あいかわらず暗い世情と背中を合わせている。東京だけで日本を語ることなど出来ないが、繁華街に戯れる若者達を見ていると、むしろ同情の念さえ沸いてきて、狭く小さな世界でしか生きられない無力さから目をそむけることが出来ない。

同日夜8時。僕は打ち合わせのため、池袋にいた。あわててタクシーに乗り込み三軒茶屋に向かう。その日は、作詞家であり、シンガーソングライターである「木下詩野」さんの、約1年ぶりのライブの日。焦る気持ちを確かに感じながら、流れる風景を後部座席から眺めていた。

ライブは夜の7時30分から始まっている。僕が会場に着いたのが夜の9時。ライブの半分を見逃してしまった。会場に入ると、ちょうどライブの1部が終わり、2部が始まるまでの休憩時間となっていた。カウンターでチケットを買い、ドリンクを注文した。何人かの知り合いが僕を見つけてくれて、久しぶりに会う喜びを分かち合っていた。そうこうしているうちに、彼女が2部のステージに現れた。白いドレスに着替え(1部では違う衣装だったらしい)、ステージ中央の椅子に座り、マイクの位置を確かめている。長い髪を上のほうで束ねた彼女はあいかわらず綺麗で、すでに何人もの人が、その笑顔を写真に収め始めていた。そういうわけで、僕は2部しか観ていないので、2部のみのライブリポートとなってしまうが、ここでは、そのライブの記憶を、ひとつひとつ丁寧に広い集めながら、あの素敵な夜の風景を、思い出してみようと思う。

ざわついてる店内。ずっと流れていたBGMがスッと消えた。始まりの合図を感じ取った客席は、一斉にステージへと視線を移す。やがて、上野氏の繊細なピアノの音色が会場に響き、彼女の声もそれに呼応する。「あなたと生きていこう/いつまでも/どこまでも/あなたと生きていこう/この世界がある限り」彼女の優しい歌声がぴったりと合うスローバラード。恋人を想い、悲しみも喜びもすべてを共にして生きていきたいと願う。そんな彼女らしさを歌い上げた名曲「あなたと・・・」で、2部のステージが始まった。曲が終わると、ギターの荒井氏が現れた。彼女を古くから支え、「荒井氏なくして私のライブは語れない」とまで言わしめるほど、彼女とは目に見えない「信頼」という絆で結ばれているギタリストだ。彼女が語り始める。「次の曲は、自分が落ち込んでいるときに、それを支えてくれるように、ふっと生まれた曲。」ギターとピアノの絡みがとても美くしい「ヒーリングガーデン」が流れ始める。「すべてがひとつになるとき/痛みも涙も/美しい愛になる」そう歌う彼女は、痛みや悲しみの代償として見つけることができた、ロウソクの炎のような優しさに満ちていた。「彷徨う魂に/あかりを灯すように/いつか私も星になって/切なさを照らしたい」悲しみに臥せていた彼女の切なさを照らした、そんな素敵な曲だった。

次の曲に移る前に、メンバー紹介が行なわれた。サックスの渡辺氏のフライングあり、ピアノの上野氏の苦きジェットコースター話あり、ライブ会場に張り詰めた緊張をゆるやかにときほぐし、あったかい気持ちを得て、次の曲を迎えることができた。そうして始まった次の曲は、「若い日のバレンタイン」。イントロで流れる、なんとも切ないサックスの音(ね)。それだけで物語の中へ吸い寄せられ、静かに彼女が歌い始めた。「いつまでもずっと/忘れないでいて/どこかで誰かを/愛していても」遠き日の淡い恋路を、赤ん坊を見つめるような優しい眼差しで見つめている。「もういちど/あなたに逢える気がする/もういちど/あなたに逢えたらいいのに・・・」誰もが、懐かしい思い出に、自分自身の遠き日を重ねているようだった。

「私にとって特別な歌を2曲歌わせて下さい。」彼女が語り始めた時、多くの人が、「それ」を感じ取っていた。今から8年前、彼女が27歳の時、彼女の大切な姉が他界した。その後、彼女の心には、大きな穴がポッカリと開いたそうだ。彼女は続けた。「いつも姉は、一番前の席に座って、いつも一緒に歌ってくれた。きっと今日も、一緒に歌ってくれている、そんな気がします。」言葉を詰まらせながら、大きな瞳を潤ませながら、彼女は、きっとそこにいるであろう、最愛の人の面影に、小さく語りかけていた。物語を奏でるように淡々と流れる「素敵な夢を」。ストリングスが壮大なスケール感と、その真ん中で小さく輝く灯りを演出する「この世界に」。この2曲を歌う彼女の声は、メロディーを語るように、静かに、かつ力強く、僕らは、彼女の隣で、愛に満ちた確かな存在が、昔のように共に歌っている姿を、目ではなく、心で感じれたことに、何の躊躇もしていなかった。愛された日々の残像の中で、彼女は今も、あの人と歌っている。そしてまた、多くの人がそれを求め、感じ、それはやがて、ごく自然に、みんなの頬を濡らしていった。そして、この2曲もまた、彼女が歌ってくれる日を、すっと待ちわびていたのだろう。僕には、この2曲自体が、ほかの誰でもなく、彼女が歌ってくれていることに、とても喜んでいるのが、痛いほど伝わってきた。

あっという間に時間も過ぎ、ライブも残すところ2曲となっていた。ユーミンの名曲「朝陽の中で微笑んで」に続き、彼女の新曲である「悲しみは唄わない」がラストソングとして演奏された。「悲しみは唄わない」という曲は、彼女が大好きな海外のシンガーに影響を受け出来上がったという。乳がんに冒され、厳しい闘病を虐げられたそのシンガーは、それでも決して悲しみを唄わなかったという。悲しみを唄った曲が多い自分に対し、そんな女性にいつかはなりたいと話す彼女に向けて、僕はそっと心の中で、「そのままのあなたでいいんだよ」と、つぶやいていた。会場の誰もが、同じ気持ちだったに違いない。この曲は荒井氏のアコースティックギター1本で演奏された。「誰のために私は/今唄っているの/悲しみはもう2度と/唄わないと決めたのに」悲しい時ほど笑顔でいたい。そんな想いが込められた曲だなあと感じた。悲しみを唄うことが嫌なわけではない。本当に悲しい時は、悲しいとさえ口にできない。苦しい時、悲しみに打ちのめされそうな時、その全てを、ありのままのその全てを、心から委ねられる何かを、彼女はずっと捜し求めているのだろう。自分の悲しみが深いほど、人の悲しみに手を差し伸べる彼女。自分の弱さを知っているからこそ、人の弱さを愛せる彼女。彼女は自分の日記でこう話している。「誰のために私は、今唄っているのか、それはきっと、自分自身のためだろう」。それでいいんだと思う。唄うたいは所詮、まっすぐにしか生きていけない。ならば、己の弱さから目を背けず、「弱さを認める強さ」を手に入れたい。多くの悲しみで、彼女の心は傷だらけなのかもしれない。そんな自分自身に対して、毅然とした態度で、立ち向かう必要があったのだろう。「優しい人の瞳ほど/切なさが滲むから/この手をつないでいて/分かり合えるまでずっと」弱く、小さく、儚いもの。それが命というものならば、それをまっすぐに愛していきたい。そんな彼女の心が愛おしく思えた、そんな曲だった。

全てのプログラムを終え、一度彼女はステージを降りた。彼女を見送る拍手。そしてそれは鳴り止まない。いつまでも続く手拍子の中、やがて彼女はアンコールのステージへと戻ってきた。晴れ晴れとした笑顔で、「ありがとう」と何度も答える。誰ともなく、ステージの彼女に花束が差し出される。ひとつふたつ、大きな花束はいくつも贈られた。その光景にまた、大きな拍手が会場に響いていた。彼女がアンコールとして選んだ曲は、彼女の代表作的な曲でもある「向日葵」。彼女自身、一番好きな曲だと言う。彼女は、ひまわりという花について、ひとつの引用文を紹介した。「明るく、暖かく、力強く。太陽を象徴するひまわり。そして人生により多くの幸福をもたらし、悲しみの代わりに喜びを引き寄せる。私達に太陽のような輝く力を与えてくれる花である」。なるほど、彼女の「向日葵」にぴったりの言葉だ。1年ぶりのライブで、初めはとても緊張していたという彼女が、今はやり遂げたという充実感に満ちている。会場全体がひとつとなり、「向日葵」は始まった。「ひまわりの咲くあの丘で/みんなと夢を叶えたい/太陽は昇ってく/みんなのために」僕らにとって彼女は、まさしく太陽のような輝きをもった、一番の「向日葵」だ。あなたは僕らに勇気をくれて、あなたは僕らに優しさをくれた。あなたは僕らの人生により多くの幸福をもたらし、悲しみの代わりに喜びを引き寄せる。そして誰もが、そんなあなたになりたいと、心の奥で願うんでしょう。言葉というあやふやなものでは、決して語ることの出来ない何かが、会場全体を包み込んでいた。鳴りやない拍手の中、とうとう、本当に、ライブは終わってしまった。

会場を後にし、ライブの余韻を抱きながら、それぞれの家路を帰っていった。いろいろな感想を共に話し合いながら、みんな晴れ晴れとした表情をしている。泣いて、笑って、感動した、そんな素敵な夜だった。ステレオから流れる音では決して味わえない何かが、ライブという場所には溢れている。今回ライブに来れなかった人もぜひ、次回はこの感動を体感してほしい。彼女の優しさ、彼女のぬくもり、彼女の全てに酔いしれるに違いない。彼女の人柄に惹かれ、彼女の音楽に魅せられ、彼女のステージを求めてやってくる人達の理由は様々だろうが、共通していることがひとつある。彼女のステージを体感し、その歌声を聞いたとき、少なくともその一瞬、人は彼女に恋をする。もっと聞いていたい、もっとこの場にいたい、もっと彼女のことを知りたい、いろんな人が、いろんな想いで、またいつか、彼女に会いにこようと心に決めるんだ。今回僕は、ライブの半分しか見ることができなかった。だから今度こそは、ちゃんと全てを見届けたいと思う。おそらく来年にまた、彼女のライブが見れるだろう。最高のステージ、素敵な夜をプレゼントしてくれた木下詩野という一人のアーチストに、心から感謝したい。ファンなんて、所詮はどこまでも無責任なものと自覚しながら、それでも多くの人が、いつもあなたを応援していることを、どうか忘れないで下さいね。あなたの夢が、いつか必ず叶いますように、ひとりのファンとして、これからもあなたの音楽に触れていきたいと思います。

何度でも。
素敵なライブを、本当にありがとう。

あなたの行く空が、どうか決して、曇らぬように。
 
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